うつ病
人は強いストレスを感じれば、気分が落ち込みます。
しかし、その憂うつな気分や無気力な状態が長く続いたり、だるさ・不眠・食欲不振・頭痛など、体の症状を伴ったりする場合は、うつ病の可能性があります。
双極性障害(躁うつ病)
気分の波、つまり、躁状態とうつ状態がみられ、人によっては、繰り返す場合もあります。
パニック障害
突然起こる動悸や冷や汗、呼吸困難、吐き気などにより、このまま死ぬのではないか?という、強い不安と恐怖感に襲われる病気です。20代、30代に多く、以前は、不安神経症や過呼吸症候群といわれていたこともあります。
予期不安があると、パニック発作を恐れると同時に、発作時に誰も助けてくれない状況を避けるようになり、乗り物に乗れなくなったり、外出できなくなったりします。
不安障害
人前で話したり、食べたり、初対面の人に挨拶するのが恥ずかしいなど、人目を浴びる行動への不安や他人に悪い評価を受けることに強い苦痛を感じ、赤面したり、震えたり、口が渇いたりするなどの身体症状が現れる病気をいいます。
多くの人は徐々に慣れますが、社交不安障害(SAD)の方は、恥ずかしいと感じる場面では、常に羞恥心や笑い者にされるのではという不安感を覚え、そうした場面に遭遇することへの恐怖心を抱えています。
適応障害
家庭、学校、職場など、自分の置かれている環境にうまくなじめず、抑うつ気分、不安感、不登校、職場不適応、出勤拒否、対人トラブルなど、さまざまな症状や問題が現れて、社会生活に支障をきたす疾患です。
うつ病に似ていますが、比較的、ストレス要因がハッキリしているといった特徴があります。
- 適応障害の一般的な症状
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- 眠れない
- 体がだるい
- 食欲がない
- 吐き気
- 下痢
- 頭痛
- 気分が落ち込む
- 不安
- イライラ
- 焦る
- 学校や職場に行けない など
不眠症
眠りたくても眠れない不眠症は、不眠からくる倦怠感や、日中耐え難い眠気が出て仕事や生活に支障をきたしたり、集中力や注意力の低下を招き、精神的、肉体的疲労をより増してしまうこともあります。
- 不眠症の一般的な症状
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- 寝つきが悪い
- 夜中に目が覚める
- 眠れるが朝早くに目が覚める
- 寝た感じがしない
- 寝たのに朝疲れが残っている、など
まず、取り除ける不眠の原因を除外した上で、必要であれば、睡眠薬による治療を行います。
睡眠が不十分であると、一日の疲れが取れず、精神的な病気や、体の病気につながる恐れがありますので、早めの対策が必要です。
発達障害、ADHD
当院は比較的早く発達障害やADHDなどの心理検査を受けていただきます(心理士が実施)
●ADHDとは
不注意、多動、衝動性といった行動が頻繁に起きる発達障害の一種です。多動などの行動が目立つことにより、学校や家庭を始めとして日常生活・社会生活に支障をきたしてしまいます。
注意欠如・多動症が起こる詳しい原因は分かっていません。しかし、幾つかの要因が複合的に絡み合っているのだと考えられています。特に、神経伝達物質のドパミンやノルアドレナリンの不足が何らかの形で関係しているため、治療にあたっては、ノルアドレナリンなどの再取り込みを抑え、神経伝達物質の働きを高めるための薬物療法などが行われます。この他、行動変容の促進、生活環境の調整なども併せて実施します。
●発達障害、ADHDの主な症状
- 不注意の主な症状
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- 一つの事柄に集中できず、すぐに飽きてしまう
- 周りの刺激に反応しやすく、すぐに気が逸れてしまう
- 人の話を聞いていないように見受けられる
- 大切なもの、必要なものをよく無くす
- 学校の勉強などで不注意なミスが多い
- 宿題や課題などを忘れることが多い
- 計画的に物事を進めることが難しい
- 多動性の主な症状
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- 一方的に喋ってしまう、喋りだすと止まらない
- 授業中などに、落ち着いて座っていることが出来ない
- 夢中になりすぎて周囲の出来事が見えなくなる
- 衝動性の主な症状
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- 学校や社会のルールを守ることが難しい
- じっくりと考えてから行動することが出来ない
- 人が並んでいる列に横から割り込んでしまう
- 順番を待つことが困難
- 他の人が行っていることの邪魔をする
- 人が話している途中で話を遮る
- 自分の感情を抑えることが苦手だ
チック
チックとは、急に出現する運動や音声が繰り返し不随意に出現する疾患で、比較的よく見られる疾患です。原因はわかってはいませんが、注意欠陥・多動性障害、強迫性障害に合併することが知られています。ストレスや疲労などで症状が出やすくなることがあります。
症状と経過から、診断は比較的容易につくことが多いですが、てんかん発作など他の疾患と紛らわしい症状がある場合もあり、検査が必要なこともあります。
就学前後の5〜6歳ごろに単純運動チックで発症することが多く、症状は自然に強くなったり弱くなったりしますが、多くの方で1年以内に症状が消失します(一過性チック障害)。慢性化した場合、思春期に症状が最も強くなりますが、成人になるにつれ大部分の方で改善あるいは消失すると言われています。
- チックの症状
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- 単純運動チック(またばき、顔をしかめる、首をかしげる、肩をすくめるなど)
- 複雑運動チック(蹴る動作、ジャンプする、倒れこむ、叩くなど)
- 単純音声チック(「ん」、と声を出す、鼻を鳴らす、咳払いをする)
- 複雑音声チック(他の人が言ったことを繰り返す、その場ではふさわしくないことを言う)
症状が軽い場合、特に小児期の一過性チックの場合は特に治療をせずに、経過を見ることが多いです。本人や周囲の方がチックについて知り、学校など社会生活にうまく適応するよう支援が必要です。症状が強い場合に薬物療法が行われることがあります。また、合併する発達障害や強迫症状が生活を困難にすることもあり、それらに対する対応も必要となります。
当院では16歳以上を対象に診察させていただきます。
●統合失調症
入院治療の必要のない統合失調症の方の治療を行っております。
●統合失調症とは
脳の神経ネットワークに何らかの障害が起こる精神疾患であり、思春期から青年期に発症するケースが多く見られます。初期の段階では、親への反抗、不機嫌、成績の低下、友人との交流減少などがみられますが、徐々に幻聴や妄想などの特徴的な症状が出現してきます。
この疾患は、先天的にストレスに対する脆さがある方が、過度のストレスに晒されることにより脳内の神経系に異常を来たし、発症するのではないかと考えられています。
●統合失調症の主な症状
- 陽性症状
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- 実在しない声が聞こえる
- ありえないことを信じ込んでしまう
- 考えていることが、実際の声となって聞こえる
- 常にだれかに見張られている気がする
- 陰性症状
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- 嬉しい、悲しいなどの感情が乏しくなる
- 何事に対しても関心が持てない
- 身だしなみに無頓着になる
- 家族や友人ともコミュニケーションをとれない
- 部屋に引きこもっている
- 認知機能障害
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- 記憶力が低下した
- 物事に集中できない
- 計画的に行動できない
●早期の治療が重要です
統合失調症の経過は人によって大きな幅があります。治療薬がよく効き、幻覚や妄想などの症状が上手くコントロールできるケースがある一方、なかなか治療が思うように進まないケースもあります。
但し、いずれのケースにおいても、発症してからなるべく早い段階で治療することが重要です。治療せずに放置していると、どんどん症状が悪化していき、治療が難しくなってしまうのです。
思い当たる症状がある方は、お早めにメンタルクリニックを受診して必要な治療を受けるようにして下さい。
アルコール依存症
入院の必要のないアルコール依存の方の、断酒・節酒の治療を行っております。
●アルコール依存症とは
大量のアルコールを長い間、飲み続けることにより、お酒を飲まずにはいられなくなる状態です。アルコールは健康を害するおそれもあるのですが、節度ある飲酒であれば特に大きな問題はないとし、社会的にも容認されています。もちろん、個々人によって適量は異なりますが、一応の目安として、1日平均20gまでの飲酒(中瓶1本程度)については「節度ある飲酒」とされています。
これに対し、1日平均60gを超える場合は「多量飲酒」となります。アルコール依存症はこのような多量飲酒の状態が長年続くことにより、発症リスクが高まるのです。
●アルコール依存症になると
アルコール依存症の方は、大切にしていた家族や仕事、趣味などよりも飲酒をはるかに優先させるようになります。飲酒のコントロールができなくなり、無理止めようとすると離脱症状が出現します。
- アルコール依存症の主な症状
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- お酒を飲みたいという強い欲望がある
- お酒を飲まないといけないのだという強迫感を抱いている
- 飲酒の開始、終了、飲酒量をコントロールすることが困難
- 禁酒・減酒すると離脱症状が現われる
- 飲酒による弊害が起こっているのに飲み続けてしまう
- 飲酒に起因して職場などでトラブルが起こっている
●治療を成功させるには
アルコール依存症は否認の病と言われます。すなわち、自分が依存症であることをなかなか認めません。「自分はアルコール依存症ではない」、「自分は酒さえ飲まなければ何の問題もない人間なのだ」と思い込むのは、自分が深刻な状況にあるということから身を護るための心理的な防衛機制のひとつです。しかし、これを克服できるか否かが治療を進めるうえでとても重要となります。
「自分は酒をコントロールできる状態にはない」、「自分に起こっている様々な問題は酒のせいではなく、自分自身の問題なのだ」という事実を認めることが、酒を断つための治療を進めるうえで大切なのです。
性嗜好障害・性依存
性嗜好障害・性依存とは性的衝動のコントロールが効かなくなり、不適切な行動を取ってしまったり、身体的・社会的なリスクを冒してまで欲求を満たそうとしてしまう依存症です。 社会的規範に反する行為(痴漢・覗き・盗撮などの繰り返し行われる性犯罪)をしたり、自慰行為、性交渉、風俗の利用回数が極度に多くなったりした場合、性嗜好障害・性依存という病気の可能性があります。
ギャンブル依存症
●ギャンブル依存症とは
ギャンブル依存症とは、ギャンブル等にのめり込んでコントロールができなくなる精神疾患の一つです。これにより、日常生活や社会生活に支障が生じることがあります。例えば、うつ病を発症するなどの健康問題や、ギャンブル等を原因とする多重債務や貧困といった経済的問題に加えて、家庭内の不和などの家庭問題、虐待、自殺、犯罪などの社会的問題を生じることもあります。
ギャンブル依存症は、適切な治療と支援により回復が十分に可能です。しかし、本人自身が「自分は病気ではない」などとして現状を正しく認知できない場合もあり、放置しておくと症状が悪化するばかりか、借金の問題なども深刻になっていくことが懸念されます。
当院ではご家族様からの相談も受け付けております。
病的窃盗(窃盗癖、クレプトマニア)
●病的窃盗(窃盗癖、クレプトマニア)とは
この障害は「物を盗む」という衝動に抵抗するのに何度も失敗することで特徴づけられます。また、窃盗したそれらの物は個人的な用途や金儲けのために必要としたものではありません。
通常、行為の前に緊張が高まり、その間や直後には満足感が得られるとされます。窃盗を行うというエピソード間には罪悪感を覚えるが、それでも繰り返してしまう症状を病的窃盗といいます。
当院では治療意欲のある方に対して、安心して相談できる環境を整え治療に当たっています。必要時には弁護士への協力や意見書などの作成も行っています。
認知症
軽度から中等度の方の認知症の治療を行っております。
●認知症とは
もともとは正常に働いていた認知機能が、後天的な脳の障害によって低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになる状態です。物事を記憶したり、判断する能力が落ち込んできますが、医療機関を受診することによって進行を遅らせることも出来ますので、お気軽に当クリニックまでご相談ください。
- 認知症の主な症状
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- 物の名前が思い出せない
- 財布やクレジットカードなど、大切なものを頻繁に失くすようになった
- 時間や場所の感覚が不確かになってきた
- 何度も同じことを言ったり、聞いたりする
- 慣れている場所なのに、道に迷うことがある
- 薬の管理が出来なくなった
- 以前は好きだったことや、趣味に対する興味が薄れた
- 鍋を焦がしたり、水道を閉め忘れたりすることが目立つ
- 財布を盗まれたと言って騒ぐことがある
●認知症の治療
認知症を完全に治す治療法はまだ確立されていませんので、症状の進行を出来るだけ遅らせることが基本となります。具体的には、薬物療法と非薬物療法があります。
薬物療法は、主に2つの効果を期待して行われます。まず1つ目は、認知機能を増強し、記憶障害や見当識障害などの症状が出来るだけ進行しないようにする手法です。もう1つは、不安や興奮、妄想、怒りなどの行動・心理症状を抑える治療です。どちらも薬の効果と副作用を定期的にチェックしながら最適の薬剤や服用量を調整していきます。
非薬物療法は、全身を適度に動かす、音楽を聴く、絵を描く、過去の出来事を思い出す、指先を使って工作することなどです。当クリニックでは、それぞれの患者さんにとって、脳を活性化するには何が必要なのかを考え、治療を進めていきます。
なお、認知症の介護は長期にわたることも少なくありません。ご本人やご家族だけで抱え込まず、専門医療機関を受診し、負担を分散することも大切でしょう。
休職支援/復職支援
ご本人の同意を確認のうえ、職場の方も同席していただけます。その場合の職場の方との面談費用は無料で実施させて頂いております。
当クリニックでは、こうしたメンタルヘルスの不調を抱えている方に対し、より良い解決策をともに考え、丁寧な診療を行ってまいります。職場の人間関係、仕事のストレスなどでお悩みの方は、当クリニックの受診をお勧めいたします。
休職や復職に関するお手伝いをいたします。
診察の結果をうけて、休職したい場合や、症状に改善が見られた後の復職に関する支援を行っております。
休職・復職をお考えの方はまずはご相談ください。
- このようなお悩みの方は当クリニックまで
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- 仕事で身に覚えのない理不尽さを感じている
- 職場で無視、いじめ、ハラスメントを受けた
- 職場に出勤するのが憂鬱だ
- 仕事が激務で疲れが取れない
- ストレスが強くてよく眠れない
- 仕事に集中できず、無理に集中すると身体が震える
- 仕事を休んだり、遅刻することが増えた
- 職場の人間関係の改善を上司に求めたが、聞き入れられなかった
- 仕事の辛さから酒を多飲するようになった
男性更年期障害・LOH症候群
男性ホルモン(テストステロン;アンドロゲン)の低下に伴って、体に生じる症状・病態を、加齢男性性腺機能低下症候群(LOH 症候群)と定義し、その中に男性更年期障害も含まれます。
診断には、明らかな臨床症状と血中テストステロン値の低下が必須です。臨床症状としては、精神・心理症状、身体症状、性機能症状などに分けられます。各々の更年期症状(AMS;Aging Male's Symptoms)をスコア化し、 テストステロン値と共に診断します。
費用
当院では自費診療にて承っております。
診察・検査希望の方はご相談ください。
- 初診時男性更年期診察+採血 8,800円(税込)
- 再診時採血検査 5,500円(税込)